『IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術』/坂本貴史(著)

IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術

IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術

 Web制作会社でUXデザイナーという肩書を持つ人は増えつつありますが、元祖UXデザイナーの坂本貴史さんが、満を持して出されたIA(Information Architecture)についての総合的な入門書でありドリルです。購入してからまとまった時間をとることがなかなかできず、ようやく通読することができました。


 副題に「Web制作者・担当者のためのIA思考術」とあるのは、よく練られた末のサブタイトルだと感じました。網掛けで強調されている「思考のプロセス」が正に「坂本式」で、この書籍の重要な位置を占めています。まず自分自身で考えて答えを出してみます。そして「坂本式」回答例と解説を読み、その考え方の類似点や相違点を見直すことで、少しづつスキルが身に付いていくことでしょう。


 本の構成としても自習+演習と工夫されています。これまでWeb制作のためのテクニック指南の本は山ほどありましたが、どんなWebサイトをどのように考えつくるかという方法論を学ぶ書籍は、ほとんど無かったのではないでしょうか。演習は過去に坂本さんが講師として出られたセミナーでの演習問題を題材にとられています。制作会社、発注側にかかわらず、Web制作・運営に関わる現場のスタッフにとって有益な書籍であることは間違いありません。ぜひ演習を自力で手を動かしてやってみてください。


 巻末の長谷川恭久さんとの対談も秀逸で、個人的にはこれが一番面白かったです。お二人ともタイプは異なりますが、Web関連のセミナーでは人気の講師です。現在のWeb制作業界の問題点や今後の方向性など興味深いものがありました。


 制作会社のWebディレクターと営業担当に最適な本だと感じました。ぜひ一読とともに演習を実際にやってみることをお勧めします。お客様との対話に新たな境地が広がること間違いありません。