『デザインセンスを身につける』/ウジトモコ(著)

デザインセンスを身につける (ソフトバンク新書)

デザインセンスを身につける (ソフトバンク新書)

 デザインを非言語(ノンバーバル)コミュニケーションとして強く意識されているアートディレクターのウジトモコさんの最新作です。新書ということもありデザイナー以外の方にも読みやすく、とっつきやすい入門書になっています。タイトルもキャッチーで新書的ですね。
 内容は結構深く専門的なのですが、デザイナー以外に対して近寄りやすい文体や構成であることも広義のデザインと読み解くことができます。帯に「ネット時代のトーン・アンド・マナーを理解するための必読書」とありますが、トーン・アンド・マナーとは何か、どうやって形作っていくのかを具体的に例をあげて丁寧に説明されています。
 ソーシャルネットワークサービスで用いるアイコンの重要性を熱っぽく説かれています。ウジさんによれば、アイコンは自らのアイデンティティを表現するものであり、それをいい加減にしておくのは、チャンスを失っているということ。思わず自らのアイコンを振り返ってしまいました。
 本質的な本書のエッセンスの一つとなる文章を引用しておきます。
 『まず、他と間違われてはいけない自分というものをしっかりと意識し、何が自分の強みなのかを考え、ただ「自分らしい」だけでなく、相手が「価値」を感じる「自分らしさ」を認識しておかなくてはいけません。』
 これは一筋縄でできることではないのですが、真摯に自分に向き合い、ここを通過しないとでその人そのものであるはずのアイコンが単なる借りものになり、本人と会ったらがっかりという残念な結果に陥ることになってしまうでしょう。